なにかとハードな業務が多い看護師。
「もう疲れた……」「もっとのんびり働きたい」
そう思う方も少なくないでしょう。
今回は、看護師としてのんびり働ける職種や職場を紹介します。自分に合った、無理せず続けられる仕事を見つけることができるかもしれません!
のんびり働ける職場の特徴
残業・夜勤がない
多くの残業や夜勤がある職場は、体力的にも精神的にもストレスがかかる可能性が高いです。給与が少し高くなるというメリットもありますが、夜勤があると生活リズムが崩れやすくなりますし、プライベートの時間も減ってしまいます。
のんびりと働きたい方にとっては、残業や夜勤のある職場は厳しい環境となるでしょう。プライベートの時間を大切にしたい方には、残業や夜勤のない職場を選ぶことをおすすめします。
急性期病棟ではない
病院には、主に3つの病棟があります。
- 急性期病棟: 重篤な疾患や急性の症状を持つ患者が収容され、緊急かつ集中的な治療やケアが提供される。
- 回復期病棟: 急性期治療を終えたがまだ完全に回復していない患者が収容され、リハビリテーションや長期ケアが行われる。
- 慢性期病棟: 長期間にわたり治療やケアが必要な慢性的な疾患を持つ患者が収容され、継続的なサポートと管理が提供される。
このうち、急性期病棟は患者の容態が変化しやすく、ベッドの回転率や病棟の流れが速いため、看護師には迅速な対応が求められます。また、重症患者を担当する際には、小さなミスが致命的な結果につながることもあり、高い緊張感が要求されます。
ゆったりとした環境を望む方は、急性期よりも慢性期の職場を検討することがおすすめです。慢性期病棟では、患者の容態は比較的安定しており、看護師はよりリラックスした雰囲気で業務に取り組むことができるでしょう。また、患者の移り変わりが比較的少ないことから、急性期病棟に比べて楽な場合が多いです。
軽症患者がメインである
重症患者を主に扱う職場では、急な対応が頻繁に求められます。患者の病状が悪化した場合、すぐに人員が必要になり動かなければいけないということが頻繁に起こり得るため、のんびりと働きたい方にはおすすめできない環境といえます。
また、理不尽な要求をする患者に対処することで、看護師のストレスが増大することもあります。
一方で、軽症患者が主であり、医療行為が少ない職場を選ぶと、より穏やかでリラックスした働き方が可能となるでしょう。
スタッフの雰囲気が良い
看護師の退職理由やストレスの大きな原因としてよく挙げられるのが、職場の人間関係です。職場のスタッフ間での雰囲気が良いところ、自分に合いそうなところを選びましょう。ただし、職場内の人間関係は入社してみないとわからない部分ではあるため、インターネットで検索して職場の雰囲気を検索して見てみたり、実際に足を運んでみたりすると良いかもしれません。
のんびり働ける診療科
結論からいうと、以下の5つです。
- 眼科
- 皮膚科
- 耳鼻科
- 心療内科
- 採血室
眼科
眼科は眼球や周囲の組織を診療する科で、看護師は主に診察や検査の介助、疾患に合わせた看護を行います。患者さんに合わせて点眼薬の使い方を指導することもありますが、高度な医療処置をおこなう場面が少なく、ルーティンワークも多いため、負担は少ないでしょう。また、大半の患者さんが生命に直結するような病状ではないため、精神的に楽だと感じる看護師が多いようです。
ただし、病院によっては患者さんが多かったり、短時間の手術がいくつもあったりと、忙しいと感じる場面もあるかもしれません。手術を行う曜日を限定していたり手術件数が少ない病院を探すと、よりゆっくり働けるところを選ぶことができるでしょう。
皮膚科
皮膚科は、皮膚や粘膜に関連する疾患の診療を行う診療科で、眼科と同様に看護師は診察や検査の介助、疾患に合わせた看護を担当します。消毒やガーゼ交換、薬の塗布や採血などが中心で、大変な作業はありません。
また、地域にもよりますが、高齢者やアトピー性皮膚炎などの子どもが多いといった特徴があります。
緊急性の高い患者は少なく、命にかかわる仕事がほぼないので、精神的負担は少ないでしょう。残業も少ない傾向にありプライベートの時間を確保しやすいため、看護師たちの中には皮膚科への転職を希望する方も多いです。
耳鼻科
耳鼻科は、耳・鼻・口や喉、頭頸部の病気の診療を行う診療科で、こちらも同様に看護師は診察や検査の介助、疾患に合わせた看護を担当します。
多くの受診患者はアレルギー性鼻炎、風邪症状、中耳炎、花粉症などであり、重篤な疾患の方は少ない傾向です。
業務はほとんどルーティンワークであり、覚えることも限られているため負担は少ないでしょう。また、比較的定時で終わることが多いため、ワークライフバランスがとりやすいと感じる看護師も多いようです。
春季は花粉症、夏のプール時期は中耳炎など、季節性の流行疾患によって繁忙期と閑散期があり、繫忙期は閑散期の2倍以上の患者さんの対応をしなくてはならないこともあるので、事前に繁忙期の期間や1日の患者数などは確認しておくと良いでしょう。繁忙期は大変ですが、それ以外の時期は楽なことが多いのでおすすめの診療科です。
心療内科
心療内科は、ストレスや精神的な原因によって体に現れた症状の治療を行う診療科で、患者は基本的に医師が対応し、看護師の仕事は、カルテの整理や採血などが中心です。じっくり患者さん一人ひとりと向き合う診察であるため身体的負担が少ないことや、入院ベッドを持たないところが多く、夜勤がないことから、心身ともに楽で人気の診療科です。人気がゆえに求人が出てもすぐに埋まりやすいので、転職活動をする際はできるだけ早めに、そしてこまめにチェックしましょう。
採血室
採血室は、検査のために血液を採取するところで、看護師は外来にて通院している患者に医師の指示のある検査項目に沿って採血を行い、医師の診察の準備や、採尿や採痰および採便の説明もします。準備も、「自動採血管準備システム」がある規模の大きい医療機関の場合はシステムが自動で準備してくれるため、より楽に業務を進めることができます。ほとんど採血のみのルーティンワークになるため負担が少ないことが特徴ですが、一方で、看護師として他の技術を向上させる点では向かないというところがデメリットでしょう。
急変対応も少なく、実は看護師の中でもかなり人気がある職場です。
のんびり働ける職場
特におすすめなのが、以下の6つです。
- 健診センター
- クリニック
- 産業看護師
- 介護施設
- 訪問看護
- 保育園
健診センター
健診センターでは、主に身長・体重の計測や血圧の測定、採血などの健康診断や検査を行います。重症患者さんの対応はなく、業務もルーティンワークがほとんどなので精神的にも肉体的にも負担が少なく働きやすい環境です。夜勤ももちろんありません。
クリニック
クリニック(診療所)では、主に診察補助や検査を行います。受付業務、会計業務、カルテ管理、レセプト業務がメインです。受付業務では座りながらの対応になります。レセプト業務では、患者の診療内容に基づいて診療報酬を算出し、診療費を請求します。
診療所には入院設備がないため、主に日勤勤務が中心となり、休みも固定されているため、のんびりと働くことができるでしょう。
また、美容クリニックの場合も、看護業務やカウンセリング、事務系の業務が主な仕事であり、お客さんとしゃべりながらの業務やゆったりとした事務作業がほとんどであることを踏まえると、比較的のんびりと楽に仕事をすることができます。
産業看護師
産業看護師は、企業看護師とも呼ばれていて、企業に従事する看護師のことをいいます。予防医療や働き方改革の観点から社員の健康管理への意識が高まっていることもあり、特に大規模な企業では健康管理部門や医務室があるところもあるため、産業看護師はそこで会社員の健康管理などの業務をおこなっています。また、医療機器メーカーや品質管理の仕事など、医療機関以外の企業での看護師の需要が増加している傾向が見られます。
基本的に夜勤はなく、社員の方と一緒に会社を成長させながらのんびりと仕事を進めることができるでしょう。
介護施設
介護施設では、介護士と看護師が協力し合いながら入居者のケアをおこなっています。看護師は医療従事者として、施設に入居する方々の健康管理や医療行為を担当し、入居者の健康を保つための役割を担います。病院と比較して介護施設に常駐する看護師は多くないため、看護師のプレッシャーを考えると、デイサービスや老健といった、比較的要介護度が低い方や在宅復帰を目指す施設を選ぶとよりのんびりと働くことができるかもしれません。
訪問看護
訪問看護では、疾患のある利用者の自宅を定期的に訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行います。主には、健康状態の観察や療養生活の相談とアドバイス、点滴や注射などの医療処置、服薬管理から緊急時の対応などをおこないます。緊急時の対応と言っても、医療機関で働くのに比べてイレギュラーは少なく、ルーティンワークが中心の業務です。余裕を持ったスケジュールで患者さんの自宅を回るゆとりのある仕事なので、のんびりと働きやすい職場といえるでしょう。
保育園
保育園では、看護師は園児の健康管理や健診補助、保健指導などをおこないます。実は私立保育園については看護師の常駐が義務付けられていて、規模にかかわらず看護師1人は必ず在籍しています。基本的に保育園で働く看護師は1名であることが多いため1人で業務を対応するプレッシャーはありますが、逆に看護師同士の複雑な人間関係が苦手という方にはぴったりです。また、保育園は夜勤がなく、特別な行事などを除けば基本的に日曜・祝日は休みで残業もほとんどありません。
自分のペースでコツコツと業務を進められるため、子どもと関わるのが得意でのんびりと働きたいと考えている方には特におすすめの職場です。
まとめ
看護師としてのんびり働きたい!という場合は、夜勤や残業がなく、急な対応が求められないルーティンワークがメインの職場を探すと、自分に合った働きやすい職場が見つかりそうですね。
今回は、のんびりと働きたい方に向けて看護師として働ける楽な職場の特徴や具体例を紹介しました。給料は少し下がってしまうかもしれませんが、今の職場でストレスを感じたり、業務がつらいと感じたりしている場合は、無理せず新しい職場を探すのも良い選択になるかもしれません!
この記事が参考になれば嬉しいです。
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