男性看護師ってどうなの?|需要やメリット、うまく働くポイントなどを解説

調査データ

以前は「看護婦」と呼ばれ、今でも女性の職業というイメージが強い看護師ですが、実は最近、男性も非常に増えてきているのをご存知でしょうか?

今回は、男性看護師の需要やメリット、働く上でのポイントなどを解説していきます。

 

看護師の男女比

現在の看護の現場で男性の割合はどれくらいなのかというと、厚生労働省の令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によれば、令和2年の看護師総数1,280,911人のうち、女性が1,176,546人、男性が104,365人であると発表されています。
つまり、総看護師のうち男性が占めるのは8.1%ということになります。

実際1割にも満たないというのは少ないといわざるを得ませんが、ここ10年のうちに男性看護師の割合は右肩上がりで、男性看護師の総数でいえば2020年には10万人に達し、10年で2倍以上にも増えています。

出典:厚生労働省「令和2衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

まだまだ女性の方が多い傾向にあるのが現状ですが、これからもっと男性看護師が増えていくことが期待できそうです。

 

男性看護師の需要は高い

男性看護師の存在は、様々な場面で頼りにされています。具体的に、男性看護師が重宝される理由やどんなところで活躍できるのかご紹介します。

体力面において戦力になる

夜勤勤務が求められることが多いため、看護師の職業は体力勝負と言えます。こうした体力面での求められる役割において、男性看護師の貢献は大いに期待されます。

そして、看護師の仕事は多岐にわたり、寝たきりの患者の介助や身体が不自由な患者のサポートなど、様々な場面で力仕事が必要とされます。男性はやはり女性よりも体力があるため、こういった場面で非常に頼りになるのです。

また、重度の障害を持つ患者や抵抗する患者への対応では、男性看護師の存在が特に重要です。その力強いサポートにより、業務が円滑に進行し、患者のケアも向上します。特に精神科などでは、男性看護師が多く活躍しており、その存在が不可欠になっています。

男性の患者さんからのニーズが大きい

男性の患者さんにとって、女性の看護師には言いづらい悩みがあったり、女性にケアされることに抵抗があったりする場合、男性看護師の存在は非常に心強いものです。特に思春期など繊細な状態にある患者さんは同性の方が心を開きやすいことも多く、男性として相談に乗ることで患者さんの負担を減らすことができます。

看護業務の改善には男性の視点も重要

以前は、保健婦助産婦看護婦法によって男性は看護の国家資格を取得できない制限がありました。この歴史的な背景から、看護業界においては今でも女性が大多数を占める実情があります。

しかし、看護を必要とする患者さんはもちろん男女を問わず存在します。患者さんにとって良い看護とは何かを考えるにあたって、幅広い視点からの意見が重要です。そんなとき、女性看護師だけでなく男性看護師の意見が欠かせません。

男性看護師が積極的に看護業務の改善に声を上げることで、看護の品質向上に繋がるでしょう。さまざまな立場からの提案と協力によって、より質の高い看護が実現できるのです。

 

男性看護師が活躍している診療科

男性看護師は、様々な診療科で仕事をしています。ここでは、特に男性看護師が強みを活かして働ける診療科を紹介します。

救急外来、救命・救急センター

救急外来や救命救急センターは、深刻な状態や緊急性の高い患者を24時間受け入れる場であり、体力が必要な勤務です。患者の体格や介助の度合いも様々であり、力仕事に長けた男性看護師は非常に重宝されます。

精神科

精神科では、急性期の患者さんや病状が不安定な患者さんなどが暴れてしまったり、力強く抵抗されたりするケースがあります。患者さん自身やその場にいる他の患者さん、そしてスタッフの安全を確保するためにも、力が強く患者さんの動きを抑えることのできる男性看護師は頼りになる存在です。特に閉鎖病棟や重症者の多いところでは必要不可欠です。また、精神科ではそういった患者さんへの対応のために男性を多く配属していて、半数が男性ということもありますので、男性の多い職場で働きたい方には働きやすい職場でしょう。

神経内科・脳神経外科

神経内科や脳神経外科では、脳神経系の疾患を抱えた患者が入院していて、日常生活において全般的に介助が必要な患者さん、麻痺のある患者さんが多くいます。

入浴や移乗などのケアの場面では体力が必要なため、男性看護師が活躍できるでしょう。

整形外科・リハビリテーション科

こちらも、日常生活において介助が必要な患者さんが多くいるため、男性看護師が活躍しやすい現場です。

手術室

特に体力が必要になるのが手術です。8時間以上かかることも少なくないため、体力面で男性看護師は非常に重宝されます。また、重たい器具などを扱うこともあるため、力のある男性の活躍が期待されます。

 

男性看護師のメリット

女性看護師が結婚や出産、子育てのために看護の現場を離れることも多い一方で、男性看護師はライフステージでのキャリア中断が少ないという特徴があります。キャリアアップという観点では、女性看護師と比較して男性看護師は有利な状況だといえるでしょう。また、さまざまな道が開かれており、管理職の立場を目指すことはもちろん、専門看護師や認定看護師といった特定分野の専門性を追求することもできます。キャリアの進展によっては良い条件での転職もしやすく、訪問看護ステーションのような独立起業も実現可能です。

 

給与が高い

 

男性看護師は、女性看護師と比較してもやや平均給与が高く、男性全体の平均給与と比較してもやや高い水準にあります。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、男性看護師の平均給与は約344,000円、男性全体の平均給与は約338,000円です。大きな差はありませんが、積み重なるとこの差は馬鹿にできません。

この差の理由としては、男性看護師が家賃手当や家族手当を受けるケースが多いことや、体力を必要とする夜勤勤務を多くこなすことで夜勤手当を得る機会があることが挙げられます。男性看護師は結婚や出産などで職場を離れるケースが少なく、継

 

続して勤務できるというところも影響しているでしょう。また、多くの男性看護師が活躍している救命救急センターや手術室、精神科病棟などは、特殊業務手当や危険手当あり、一般病棟と比較して収入は高くなる傾向にあります。

参考:厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」

キャリアアップしやすい

 

 

女性が多い看護現場で働く上で抑えるべきポイント

やはり看護の現場はまだまだ女性が多いため、男性看護師として働く上では女性看護師と良好な関係を築くことが重要になります。女性が多い現場で円滑に人間関係を進めるために、男性看護師が抑えるべきポイントをご紹介します。

清潔感を大切にする

看護師という職業柄、女性であれ男性であれ気を使うべきところではありますが、特に女性から好印象を持たれるかどうかにおいて清潔感は重要になってきます。髪型やヒゲなどの外見に加え、言葉遣いや立ち振る舞いなど、相手に不快感を与えないように気を付けましょう。口臭や体臭にも気を付けるのがマナーです。

性別にとらわれすぎない

性別が違うことによる得意なことの違いや多少の性差は当然であり、そこにどちらが上、どちらが下ということはありません。看護師として一つのチームであることに変わりはないため、男性看護師だから、女性看護師だからと性別にとらわれすぎず、同じ仕事仲間として接していきましょう。女性差別的な発言はもってのほかです。

男性看護師の仲間を見つける

やはり同性だからこそ相談できる悩みや、男性同士の方が話しやすいこともあるでしょう。女性看護師と良い関係を築くことは大切ですが、同じ男性看護師で信頼できる人がいる場合、おそらく非常に働きやすい環境になります。職場内に限らず、勉強会や学会などに参加することで外部の男性看護師と親しくなるのも一つの方法です。また、部署の希望が出せる場合、男性が多そうな部署を選ぶのも良いかもしれません。面接などで事前に職場の男女比を聞いておくと、入ってから後悔することも防げそうです。

 

まとめ

男性看護師の割合は女性に比べるとまだまだ少ないですが、年々増加傾向にあります。男性看護師は女性看護師が得意でない力仕事を引き受ける一方、男性独特の悩みにも耳を傾ける役割を果たし、その需要は高まるばかりです。

今回は、男性看護師の需要やメリット、働く上でのポイントなどを解説しました。この記事が参考になれば嬉しいです。

 

 

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この記事の監修者元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助
元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助 株式会社SOKKIN 人材副事業責任者

2014年にサイバーエージェントに入社。金融業界を中心に幅広い業界のクリエイティブディレクションに従事。その後、2023年より株式会社SOKKIN でクリエイティブ責任者として従事

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