実際には、最近は白以外にもピンク色や水色、紺色など様々な色の制服があったり、ユニフォームの種類も様々です。
今回は、最近の看護師のユニフォームの種類や、看護服の歴史などを紹介していきます。
ユニフォームの種類
都道府県や市町村などの自治体が運営する公立病院や病床規模が500床以上の大病院などでは、一定の制服規定があるため、看護師にもユニフォームが支給されることが一般的です。
一方で、規模の小さい病院やクリニックであれば、看護師が自分でユニフォームを用意する場合もあります。
自身で準備する場合は、病院の規定に従いつつもデザインや機能性が高いものを選びたいですよね!
一般的なユニフォーム
トップス
ユニフォームのトップスは、一般的に白色または淡い色調のブラウスやジャケットとしてデザインされています。最近では、ブルー、グリーン、パープルなどの色が用いられることもあります。
素材としては、綿やポリエステルなどの洗濯が容易な素材が使用されることが多いです。また、メモやペンを持ち運べる用のポケットや、ネームプレートがをつける部分があるものもあります。
パンツ/スカート
パンツスタイルのボトムスが一般的であり、マッチングする色とデザインのジャケットと合わせて着用されます。スカートスタイルを着用する看護師もいますが、スカートの長さは、歩行や動作の際に患者や同僚に不快感を与えないように、膝丈以上の長さが一般的です。
シューズ
看護師用のシューズは、長時間の立ち仕事や歩行に適した、快適で機能的なものが選ばれます。一般的には、ヒールが低く、足首や足の裏をサポートするようなデザインが多いです。また、滑り止めがついていたり、防水性の高いものが用いられることもあります。
病院にもよりますが、ナースシューズは年に1回支給されるところが多いようです。ただ、毎日履くものなので、看護師によっては自腹にはなってしまいますが、半年で交換する人もいるようです。
装身具
ユニフォームには、機能的な装飾をつけることが多いです。例えば、時計や名札、ステートメントピン、スクラブキャップなどがあります。
スタンダードタイプ
一般的な看護師のユニフォームで、襟やポケットがある白いワンピースです。襟や袖口、裾には緑色のパイピングが付いている場合があります。最近では、スタンダードタイプでも、派手すぎない落ち着いた色合いのものが人気です。
スクラブタイプ
病院などで働く看護師に人気のある、機能性に優れたタイプのユニフォームです。胸元がVネックで、もともとは手術着として着られていました。
上下別々のスタイルで、トップスにはポケットが多数付いています。素材は肌触りの良い綿100%のものが多く、耐久性が高いので何度選択しても生地がへたらず丈夫です。
ドクターコートタイプ
白衣のような形状のユニフォームです。ジャケット風のデザインで、袖口にはボタンが付いているため、スクラブタイプよりも少しフォーマルな印象を与えます。特に、外来などで診察を受ける患者さんから好まれることが多いです。
カラフルタイプ
最近では、明るい色のユニフォームも増えています。カラフルなユニフォームは、子どもたちにも受け入れられやすく、病院内での視認性が高いため、緊急時などにも役立ちます。
そもそもなぜ看護服は白かった?
白色は清潔さの象徴だった
看護師のユニフォームが白色であった理由は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての看護師像に関連しています。当時、看護師は聖職者の影響を受けた「清らかで、慈愛に満ちた女性」として描かれ、白色の制服が採用されました。
また、白色は清潔感や清潔さを表す色とされていたこともあって、当時病院にとっては患者に対する安心感を高める効果があったとされています。
様々なユニフォームが出てきたキッカケ
白色は汚れが目立つ色
看護師として働いていると、どうしても服が汚れてしまう時があると思います。
服が白いと、少しの汚れもすぐに気づくことができ、清潔さを保つことが出来るため白色が選ばれてきた背景があります。
その一方で、白色の看護服だとなかなか洗濯しても汚れが落ちなかったり、「白」=病院という認識が広まったことで患者さんへ緊張感を与えたりと、他にも様々な理由から看護服のカラーバリエーションが増えていきました。
男性看護師の増加
現在でも女性の看護師が90%以上と、女性の多い職業ではありますが、徐々に男性看護師が増えてきています。
一般的な制服といえば白色のワンピース型が主流だったため、男性も履けるようにパンツスタイルも導入され、その影響で女性でもパンツスタイルが広まっていきました。
白衣自由化の導入
白衣自由化とは、看護師や医師などの医療従事者が、従来の白衣を着用することに加え、自由な服装で勤務することができる制度のことを指します。
白衣自由化は、2000年代に入ってから徐々に広がりを見せてきました。
厚生労働省が発表した統計によれば、2020年時点で日本国内の病院のうち、白衣自由化を導入していると回答した施設は全体の約7割にあたる68.1%でした。ただし、白衣自由化の導入状況は、地域や病院によってまちまちであり、まだ導入していない病院も多く存在します。
導入理由① 白衣は管理が大変
先述の通り、白色は汚れがつくとわかりやすくはあるものの洗濯してもシミが目立つごとがあります。
昔とは異なり、現代は清潔に保つための技術が進んでいるため、目に見える汚れによって看護服を交換する必要が少なくなりました。
また、アイロンを掛けないとシワが目立ったり、支給された枚数が少なければ
導入理由② 季節に合わせた装いが出来るようになる
暑い夏場などには、スクラブなど風通しの良い看護服を着用することで、熱中症のリスクを下げることができます。
支給されたユニフォーム以外にも、自由化することによって各々自身の体質に合わせた服装管理ができるようになりました。
導入理由③ 自分らしさを大切に
白衣は看護師の制服として長年にわたって定着していますが、大切なのは「何を着るか」ではなく「何を大事にして看護職をするか」
看護師のユニフォームの歴史
明治時代には、日本の医療現場に西洋医学が導入される中で、洋風の白衣を着用することが一部の病院で始まりました。しかし、当時は医療従事者たちの服装に規則性がなく、医療従事者としてのイメージを表すものではありませんでした。
その後、大正時代になり、白衣や帽子を着用することが一般的になりました。特に看護婦たちは、白衣の上にエプロンを着用するスタイルが一般的でした。また、看護婦の制帽である「ナースキャップ」も誕生し、看護婦のシンボル的な存在となりました。
現在は、厚生労働省が定める「病院衛生管理指導要領」によって、ナースキャップ着用の義務は廃止されています。
この指導要領は2003年に改訂され、ナースキャップの衛生問題や、患者との信頼関係を築く上で必要性が低くなっていたことから廃止になったようです。
第二次世界大戦後では、看護婦の制服は黒いスカートと白い上着に変化しました。その後、1960年代に入り、白衣が再び看護師の制服として定着するようになりました。現在では、白衣に加え、ワンピースやスクラブスタイルなど、さまざまなデザインの看護師用ユニフォームが存在します。
まとめ
看護師のユニフォーム支給は、仕事中に切る服に悩まなくてすむ反面、自分で身体にあった快適なユニフォームを選ぶことができないなど、融通が利かない部分もありますよね。
これからどんどん暑くなっていきますし、日々の仕事で着用するユニフォームも快適なものを選びたいですね。
「看護なび」では看護師専門の求人情報を掲載しており、地域別、雇用形態、職種、勤務時間、給与など、様々な条件で求人検索ができます。
理想の勤務先を探したり、将来の勤務先のイメージを具体的にするためにぜひご活用くださいね。