日本では、企業に65歳までの雇用確保が義務付けられ、70歳まで就業の機会が得られるように施策が行われています。
では、看護師の場合はどうなっているのでしょうか。
今回は、定年後も看護師として働きたい場合、どのように就職先を探せばよいのか、また定年後におすすめの勤務先を紹介します!
定年後も働いている人はどれくらいいるの?
中には85歳以上でも看護師として働いている人も!
年金の受給開始年齢は原則65歳からとなっています。そのため、企業としても65歳を定年と定めているところが多いようです。
厚生労働省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、看護師全体の割合としては60歳以上の人数は少なくなっているものの、なんと85歳を過ぎても看護師として400人以上が働いているという結果になっています。
▼平成30年時点での年代別就業看護師数
看護師の総数(平成30年) | 1,218,606人 |
60〜64歳 | 56,799人 |
65〜69歳 | 23,654人 |
70〜74歳 | 6,336人 |
75〜79歳 | 1,559人 |
80〜84歳 | 409人 |
85歳以上 | 457人 |
看護師免許は年齢制限や再試験が必要ないため、本人が望めば生涯に渡って看護師として活躍することができると言えそうです。
定年後も働くには?
同職場で再雇用(継続雇用制度)
制度上、継続雇用の上限を65歳と設定している病院がほとんどですが、本人の希望と健康状態に問題がなければ、再雇用制度を取り入れているところもあります。
厚生労働省が平成20年に実施した「平成20年高年齢者雇用実態調査」によると、定年後の継続雇用制度がある事業者の割合は89.1%、再雇用制度がある事業所割合は83.5%と定年後でも働ける企業が多々あるようです。
上記の数字は全体の事業数なので、看護師の主な勤務先である病院のみの数字ではありませんが、昨今看護師の人数不足が深刻化しているため、経験豊富なシニア看護師を求める職場はたくさんあるといえるでしょう。
注意点としては、再雇用の場合、定年以前と同じ待遇面での雇用契約にはならない可能性があります。
長年働いて慣れてきている職場であれば、やりがいや社会とのつながりを重視して働き続けることも選択肢の一つです。
シニア看護師の求人はたくさんある!
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詳細を見てみると、訪問看護や介護・リハビリ施設など、夜勤がなく短時間でも勤務できる職場が多い印象です。
自分の体力や対応できる力仕事を把握した上で、無理なく対応できるお仕事を探すことが定年後にも健康的に働くためには大切です。
定年後にもおすすめの勤務先
クリニック、無床診療所など
病床を備えていない医療期間であれば、診療日や診療時間が決まっており、夜勤が発生しないため無理して働けるでしょう。
また、クリニックは病院よりもより地域に密着した診療を行っており、軽度の外傷や比較的軽い症状の病気、また健康のことを相談することが出来る場所として機能しています。
その分、緊急度の高い処置を求められることは少なく、またこれまで培ってきた経験や知識を活かすことができるでしょう。
福祉施設
福祉施設には介護、老人、児童、生活困窮者などの様々な手助けを必要としている人々に向けた援護、支援を行っている施設です。
福祉施設で働く看護師は、入居者やその家族に対して、健康に関する相談に乗ったり、病状や治療計画の説明、健康増進のための教育プログラムなどを通じて健康を管理するのが主な業務になります。
定年後に福祉施設で働くメリットは、主な業務は他介護スタッフなどが対応するため、力仕事が主ではなく、採血などのバイタルチェックが多くなります。
訪問看護
自宅もしくは施設で療養している患者さんのもとに看護師が訪問して健康状態の確認やリハビリテーション、主治医などとの連携を行います。
訪問看護ステーションの求人数は多く、また定年後の看護師にも人気の職場となっています。
その理由は、夜勤もなく呼ばれた時、つまり働けそうなときに対応する勤務形態がほとんどだからでしょう。
ただし、訪問した件数によってお給料が変わってくるので、収入は不安定な面があります。
定年後も働きたい理由
経済的な理由
様々なメディアが定年後も働いている人を対象に行なったアンケートでは、「生活のため」「ゆとりのため」という声が多く上がっています。
令和元年時点では満額払ってきた場合の厚生年金、老齢年金を合わせて、平均14万円程度が支給されていると言われています。老後に必要だと言われている月の生活費は26万円というシミュレーションもあるため、なるべく体が元気で動くうちは働き、将来のために貯金には手を付けたくない人が多いのではないでしょうか。
生活リズムや健康の維持
仕事ややることがなくなってしまうと、生きがいがなくなってしまったように感じてしまう人もいます。
実際に、仕事を辞めて家に引きこもってしまうと、筋力の低下や老化現象が進んでしまうケースも多々あります。
確かに、これまで週5日間働いてきたのに急にやることがなくなると寂しくなってしまう気持ちもわかりますね。
やりがいや社会貢献
働くことで、お金だけではなく社会とのつながりや貢献できているという実感を得ることができます。
また、看護師として長く働いてきた方であれば知識や経験を豊富に積んでいるので、患者さんや新人看護師の安心できる相談役として重宝されるでしょう。
まとめ
定年後も働いている看護師の数を見てみると、老後も看護師は需要の高い職業だといえるでしょう。
その時の自分の体力や勤務できる時間帯に併せた勤務先を探すことが出来るので、定年後も安心して働けるのは看護職の魅力ですね。
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