医療ドラマを見ていると、看護師同士のドロドロした人間関係模様が描かれていたりしますよね。
また、看護師が退職する理由として、ネガティブな理由としては「人間関係がよくないから」が1位になっています。
看護師のお仕事と聞くと、上でも述べた「人間関係」のお悩みが大半を占めそうですが、他にはどのような悩みがあるのでしょうか?
今回は、退職理由から見える看護師の悩みを上位から5つと、それぞれの悩みの対処法を紹介していきます!
全体の退職理由TOP5
退職理由として多いのは出産や結婚が多い
厚生労働省が実施した「看護職員就業状況等実態調査結果」では、約2万人に対して就業状況を調査し、その中の項目で「退職理由」に関しても調査を行いました。
退職理由について、ネガティブな理由が多いのかな…と思いきや、「出産・育児」や「結婚」など、人生の節目で退職を決めた看護師が多いようです。
調査方法として、主な理由を3つまで選べる方式だったため、色んな事情が重なって退職を決めたというのがほとんどなのではないでしょうか。
退職理由 | 割合 |
出産・育児のため | 22.1% |
結婚のため | 17.7% |
他施設への興味 | 15.1% |
人間関係がよくないから | 12.8% |
超過勤務が多いため | 10.5% |
また、ネガティブな理由だけのランキングだとこうなります。
退職理由 | 割合 |
人間関係がよくないから | 12.8% |
超過勤務が多いため | 10.5% |
通勤が困難なため | 10.4% |
休暇がとれない・とりづらいため | 10.3% |
夜勤の負担が大きいため | 9.7% |
1位:人間関係がよくない
先輩看護師や派閥争いがしんどい
このあとの退職理由に「超過勤務」や「休暇が取りにくい」など、激務であればあるほど心の余裕がなくなり、人に優しくするのが難しくなってしまいます。
そういった要因もありますが、94%の看護師が女性ということもあり、看護職は女性特有の難しさを持っています。特に、先輩看護師の言うことは絶対!となるものの先輩によって言ってることが違ったり、挨拶を無視されたり、考えるだけでもげんなりしてしまいますね。
対処法は?
苦手な人は必要以上に関わらない
どんなにパワハラをされても、無視したり仕事の指示を出してくれなかったりしても、自身は仕事上で必要な連絡事項など、業務上で最低限のコミュニケーションは取るようにしましょう。
一緒に働く以上、お互い心地よく働けるのが理想ですが、残念ながら世の中にはどうしても相容れない人がいます。そんなときは、無理に関係を良くしようとするよりも、仕事をすることだけに注力する必要があるでしょう。
ただし、相手が指示を出してくれなかったり、業務に支障が出るようなパワハラをしてくるのであれば、必ず上司に相談しましょう。
異動申請するか転職も視野に入れる
できることなら人間関係を理由に仕事を変えたくはないですが、心の健康を損なうよりはずっと良いでしょう。
また、人間関係に悩みたくないということだけに注力するのであれば、訪問介護であれば各々のメンバーがバラバラで利用者のお家に伺うので、同僚との人間関係には悩まなくて済むようになります。
他にも、幼稚園看護師やツアーナースなども、看護師としては一人なので病院とは異なる人間関係になるはずです。
2位:超過勤務が多い
診療科によって差がある
看護師の仕事の忙しさは、配属されている診療科によっても異なりますが、症状の急変など予期せぬ対応が必要になることは日常茶飯事です。
また、根本的な問題として慢性的な人手不足なこともあり、シフト時間が終わっても後片付けや記録など、残業ありきの体制になってしまっているところもあります。
対処法は?
優先順位を考えて絶対に対応すべきことをする
残念ながら、勤務先の体制を個人の力で何とかするということはなかなか難しいですよね。
看護師は面倒見がよく、周りのことがよく見えるのでつい「これもやっておいたほうがいいな…」という業務も対応してしまいますが、これではいつまで経っても退社できません。
対策の一つとして、「このタスクは絶対しなきゃいけない」ということの優先順位を立てて、終わったら帰りましょう!
周りの人も大切ですが、自身の事も大切にすることを第一優先にしましょう。
3位:通勤が大変
朝は通勤ラッシュ、深夜は終電ギリギリ
病院へのアクセスが悪いと患者さんも困りますので、バス停が目の前にあることも多いでしょう。
電車の駅の目の前にある病院であれば良いですが、バスだとあまり時間通りに来ないので早く出勤する必要がありますよね。
ベテランであれば収入も安定してきているので、通勤30分以内の場所に引っ越すことも考えることができますが、新米の場合は実家から通うこともあるでしょうし、家賃の相場的に近くに住むことが難しいこともあるでしょう。
また、3交代制のシフトであれば、深夜勤の出勤が大変ですよね。
対処法は?
シンプルに引っ越す!
勤務先によっては、社宅が合ったり家賃補助制度を導入しているところがあったりします。
もしも勤務先が気に入っているのであれば、住まいを変えてしまうのが手です。
家を探すのと、転職先を探すのであれば、ゆっくり家を探す方が精神的に安定できそうです。
通勤時間が遠いだけで退職するというよりは、複合的な退職理由の一つに挙げられそうですね。
4位:休暇が取りづらい
夜勤と休みがセットになってるのもつらい
人手不足でギリギリなシフトが組まれていると、お休みをもらうのは言いづらいですよね。
有給を申請することで嫌な顔をされると思うと、無理しちゃう気持ちもわかります。
有給だけに限らず、夜勤がある仕事場だと大抵次の日はお休みになっていることが多いです。こうなると、純粋で楽しいことをするというよりは前日の疲れを取るために寝るだけで終わってしまうときもあるでしょう。
対処法は?
限界まで我慢しない!
有給休暇を申請しづらいとあなたが思っているのであれば、それは他の人も同じはず。
体の無理を感じ始めたら、限界まで我慢するのはやめましょう!
結局倒れてしまったら、体を治すまでに時間がかかってしまいますからね。
5位:夜勤の負担が大きい
配置される人員が少ない分、業務が増える
夜勤は看護職ならではの働き方ですが、本来の就寝時間に無理やり起きて活動すること自体が自然の摂理なので、そもそも無理をしている上に、日中よりも働く人が少ないため一人あたりの業務が増えてしまいます。
対処法は?
多めのシフトに併せて自身の生活リズムを確立する
2交代制の勤務先であれば、夜勤の回数は平均4.9回ほどだそうです。
日勤の方が多いのであれば、日中がメインの生活リズムを確立する必要があります。
具体的には、夜勤明けに家に帰っても仮眠程度に抑え、その日の夜にはしっかり眠れるようにしましょう。
生活リズムを整えることで、体の調子を一定に保つことに役立ちますよ。
まとめ
看護師特有の悩みもあれば、働く人であれば悩んでしまいそうなこともありましたね。
悩みを解決するためには、やめてしまうのが1番早く解決できそうですが、悩みさえなければ看護師として働きたいのに…という方も多々いらっしゃるでしょう。
全ての悩みを解決するのは難しいかもしれませんが、向き合い方を工夫してみたり、思い切って転職を検討してみてもいいかもしれません。
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理想の勤務先を探したり、将来の勤務先のイメージを具体的にするためにぜひご活用くださいね。