特定看護師、専門看護師の違いって?|資格の違いと取得方法などを解説

資格取得に向けて勉強している女性 お仕事
看護師になったらそこで勉強が終わり、ということはなく業務が始まったあとも勉強会やセミナーへの参加が必要になり、むしろ仕事を始めてから更に学ばないといけない事項が増えることでしょう。

せっかく仕事のために勉強するのであれば、資格に向けた勉強も併せて進めたいですよね。

今回は看護師の資格としてよく知られている下記の資格について紹介します。

  • 認定看護師
  • 専門看護師

なぜ看護師に追加資格が必要?

既に看護学校で2〜4年看護学を学び、国家試験に合格したのになぜまだ勉強する必要があるのか?と感じるかもしれません。

看護師が看護関連の資格取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

業務範囲が広がり、昇進のチャンスが増える

看護師として働き始めた最初の2〜3年は、実務に慣れることに必死で資格取得はすぐに考えられないと思いますが、仕事に慣れてくると役職を狙ったり、お給料のアップを希望する気持ちが芽生えてきます。

そのときに、資格を取得することで出来る業務の範囲が広がり、結果的にリーダーや指導者に抜擢される機会が増えます。

また、勤務先によっては資格手当があるところもあるため、役職に就く以外でもお給料が上がることが期待できます。

転職や再就職に有利

看護師は勤務年数や経験経歴から就職に強い資格ではありますが、自分にとって1番いい条件の勤務先で働きたいですよね。

資格を取得していると、関連した分野に特化した知識や技術を持っているというのをアピールすることができます。

認定看護師

どんな資格?

認定看護師とは、日本看護協会が管轄している資格の1つです。

日本看護協会から引用すると

特定の看護分野における熟練した看護技術及び知識を用いて、あらゆる場で看護を必要とする対象に、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ること

と記載されています。

また、認定看護師に求められる役割は、「実践・指導・相談」です。

  1. 個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
  2. 看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
  3. 看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)

看護分野としてはもともと21分野ありましたが、2019年に改正されて今は19分野が特定されていて、それぞれの分野ごとに認定を受けることができます。

注意として、この資格は5年ごとに更新する必要があり、書類審査を通過する必要があります。

引用:認定看護師 | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会

取得方法は?

日本看護協会が認定している教育機関で勉強する必要があります。

分野ごとによって学校も変わってくるので、自分の住んでいる都道府県に対応している教育機関があるか確かめる必要があります。

取得するための資格

  1. 看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること
  2. うち3年以上は認定看護分野の実務研修
  3. 認定看護教育機関へ入学・修了

取得までの期間

2019年の改正により、開講期間や勉強時間数が2通りあります。

A課程、B課程があり、それぞれの課程の違いは下記のとおりです。

A課程認定看護師教育機関
特定行為研修を組み込んでいない認定看護師
教育機関
・2026年度をもって教育が終了
B課程認定看護師教育機関
特定行為研修を組み込んでいる認定看護師
教育機関
・2020年度から教育を開始
開講期間 6か月以上1年以内 1年以内
時間数 600時間以上
教育基準カリキュラム
800時間程度

教育基準カリキュラム

特定行為研修区分別科目を1~3区分程度含む

上記時間とは別に特定行為区分別科目における実習の時間が追加される

方法 集合教育 集合教育

e-ラーニングを含む場合あり

現在は改正により、勉強にかかる時間が大幅に増えています。

座学だけでも800時間以上あり、更に実習の時間も入ってくるため、1年間の間は勉強に費やすことになりそうです。

メリットとして、特定行為研修が学習内容に取り込まれているため、1つのカリキュラムで特定行為研修、認定看護師の勉強を修了することができます。

収入は上がるのか?

日本看護協会が2022年報告した「看護職員の処遇改善に向けて」によると、残念ながら認定看護師の手当を支給していない病院は82.5%、約8割の病院で手当がないという結果になっています。

手当がある病院では、平均8,556円/月という結果になりました。

この資格は、手当をもらって収入を上げるというよりは、資格を取得してより条件のいい勤務先へ転職するのに有用だと言えそうです。

専門看護師

どんな資格?

専門看護師も認定看護師同様、日本看護協会が管轄している資格です。

14分野が特定されており、取得の際はこれまで実務研修などで親和性が高い分野を選ぶ必要があります。

資格の定義は、日本看護協会のサイトにも記載されています。

複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上を図る

認定看護師は特定の分野について患者さんへ高度なケアを求められるのに対し、専門看護師は患者さんの家族や関連者とも連携を取り、包括的なケアを求められます。

取得方法は?

認定看護師との大きな違いは、専門看護師は修士の学位を取得する必要があることです。

取得するための資格

  1. 看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上であること。そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修をしていること。
    もしくは定められている専門看護分野の実務研修をしていること。
  2. 看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること

取得までの期間

大学院ですので、2年以上の学習が必要になります。

2年となると、働きながら取得するというのは難しいので、勤務先と相談して休職扱いにしてもらうか、一度退職することを考える必要がありそうです。

収入は上がるのか?

日本看護協会が2022年報告した「看護職員の処遇改善に向けて」によると、専門看護師の手当を支給していない病院は86.9%、認定看護師同様、約8割の病院で手当がないという結果になっています。

手当がある病院では、平均11,556円/月という結果になりました。

参照:日本看護協会「看護職員の処遇改善に向けて

まとめ

認定看護師、専門看護師は、特定の分野において専門性の高い看護を提供できるという点で共通しています。

資格を取得することで、資格手当などで直接お給料が上がるのは数字上難しそうですが、資格を必要とする求人では、お給料が高い傾向にあります。

また、自分の強みを資格という形で視覚化することで、転職する際にも強力なアピールポイントとなります。

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理想の勤務先を探したり、将来の勤務先のイメージを具体的にするためにぜひご活用くださいね。

この記事の監修者元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助
元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助 株式会社SOKKIN 人材副事業責任者

2014年にサイバーエージェントに入社。金融業界を中心に幅広い業界のクリエイティブディレクションに従事。その後、2023年より株式会社SOKKIN でクリエイティブ責任者として従事

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