看護師の勤務形態には『夜勤』という働き方も含まれます。これから看護師になりたいという方の中には「夜勤って具体的にどのような働き方をするの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。現役の看護師さんの方でも、他の病院の働き方について気になっている方もいると思います。
そこで、今回の記事では看護師の夜勤における勤務体制である「2交替制」や「3交替制」などの一般的な用語の解説から、勤務スケジュール例、勤務時間例などの具体例までご紹介します。
夜勤のメリット・デメリットもご紹介するのでぜひ最後までご覧ください。
看護師の夜勤とは
看護師の夜勤とは、一般的に施設で夕方から明け方にかけて働くことを指します。夜勤の勤務時間は、勤務体制によって違いがあり、職場によっても採用する勤務体制が異なります。
看護師における夜勤の仕事内容
夜勤における仕事内容の例としては以下が挙げられます。
- 点滴や投薬のチェック・準備
- 施設内の巡回
- 点滴交換
- 食事の準備
- 患者の状態チェック
- 口腔ケア
- 緊急時の対応
- 翌日への引き継ぎ
看護師の夜勤の勤務体制
ここでは、看護師の夜勤の勤務体制として代表的な「2交替制」、「3交替制」と、夜勤のみをする働き方である「夜勤専従」ついて詳しく見て行きます。
2交替制
2交替制とは、「2」という名称の通り、1日のシフトを2つに分けて人員を配置する体制のことを指します。
一般的には、以下のようにシフトが分けられることが多いです。以下の表の場合、日勤8時間勤務、夜勤16時間勤務となります。
2交替制の場合、夜勤は16:00〜10:00までの16時間(休憩120分)です。
日勤 | 8:30〜17:30(休憩60分) |
夜勤 | 16:00〜10:00(休憩120分) |
2交替制の夜勤は、3交替制の夜勤に比べて勤務時間が長いのが特徴です。
3交替制
3交替制とは、「3」という名の通り、1日のシフトを3つに分けて人員を配置する体制のことを指します。
一般的には、以下のようにシフトが分けられることが多いです。以下の表の場合、日勤8時間勤務、準夜勤8時間勤務、深夜勤8時間勤務となります。
3交替制の場合、夜勤は23:00〜翌日8:00までの16時間(休憩60分)です。
日勤 | 7:00〜16:00(休憩60分) |
準夜勤 | 15:00〜0:00(休憩60分) |
深夜勤 | 23:00〜翌日8:00(休憩60分) |
夜勤専従
夜勤専従とは、夜勤の時間帯のみ働くことを指します。勤務時間は、2交替制と同じように夕方〜翌朝であることが多いです。
夜勤専従のメリットとしては、「高い収入を得られる」「昼間の時間が自由になる」などが挙げられます。これは、夜勤は夜勤手当てや深夜割増賃金がつくためです。
一方で夜勤専従のデメリットとしては、「生活リズムが乱れる」「身体的に辛い」などが挙げられます。
夜勤専従をする方には、体調管理ができて、休みの日に疲れを回復できる方が向いているといえるでしょう。
「2交替制」、「3交替制」、「夜勤専従」の他にも、「4交替制」があるなど職場によって異なる勤務体制がとられていることもあります。
2交替制と3交替制、多いのはどっち?
2022年度医療労働「夜勤実態調査結果」の調査によると、2022年における3交替制を採用している病棟の割合は全体の55.1%で、2交替制を採用している病棟の割合は全体の44.9%でした。
2006年以降、「2交替制」を採用する病棟の割合が年々増加している傾向があります。それに伴い、長時間労働を問題視する声も増えています。
【参考】:2022年度「夜勤実態調査結果」医療労働
看護師の夜勤の乗り越え方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
【関連】看護師夜勤の業務とは?|2交代制と3交代制の違いを解説!
1週間の勤務スケジュール
ここでは勤務体制別の、一般的な看護師の1週間のスケジュールを見ていきましょう。
2交替制の1週間スケジュール
2交替制で働く場合、看護師の1週間のスケジュールは以下のようになります。
月曜:日勤
火曜:夜勤入り
水曜:夜勤明け
木曜:休み
金曜:休み
土曜:日勤
日曜:日勤
この例の場合、水曜日の午前中に仕事が終わった後は次の同日の出勤までは休むことができます。また、夜勤に入る火曜日の午前中も自由に過ごすことができます。
体力面の考慮から、基本的には夜勤明けでそのまま日勤に着くということはありません。
3交替制の1週間スケジュール
3交替制で働く場合、看護師の1週間のスケジュールは以下のようになります。
月曜:日勤
火曜:休み
水曜:深夜勤
木曜:深夜勤
金曜:準夜勤
土曜:休み
日曜:日勤
この例の場合、火曜日の深夜から深夜勤が始まり、3連勤夜勤となっています。木曜日の深夜勤が終わった後は、金曜日の準夜勤まで半日自由な時間を過ごすことができます。
看護師の夜勤手当てはどのくらい?
日本看護協会の「2020年病院看護実態調査(p19)」によると、看護師の夜勤手当相場は以下のような結果になりました。
平均手当額 | |
三交替制(準夜勤) | 4,154円/回 |
三交替制(深夜勤) | 5,122円/回 |
二交替制 | 11,286円/回 |
勤務時間の一番長い二交替制が夜勤手当も高く、三交替制では準夜勤に比べて遅い時間帯に働く深夜勤が高い傾向にあります。
夜勤のメリット・デメリット
夜勤のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのか見て行きましょう。
メリット
- 深夜割増賃金がある
- 日勤より稼げる
- 日勤に比べて忙しくない
- 業務量が比較的少ない
- 昼間に自由な時間が取れる
- 正職員の転職に有利になる場合がある
デメリット
- 長時間労働になりやすい
- 少人数で業務をこなさなければならない
- 疲労が溜まりやすい
- 体調を崩しやすい
- 家族や友人と生活リズムが合わない
夜勤のメリットとしては、「夜勤明けは休みになるため平日に自由な時間ができる」、「日勤に比べて落ち着いている」などが挙げられます。一方で、夜勤のデメリットとしては、「体調を崩しやすい」ことや、「家族との生活リズムが合わない」などが挙げられます。
自分の体力や生活のリズムなどを考えた上で、夜勤をどのくらい行えば良いのか検討すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、看護師の夜勤について紹介してきました。夜勤には主に2交替制と3交替制があり、2交替制の夜勤では、勤務時間が16時間に及ぶ場合もありました。
夜勤は体力的な負担などのデメリットがある一方、夜勤手当てが出て日勤より稼げるというメリットもあります。
「体力的に負担がないか」「休憩はきちんと取れるか」「自分の生活リズムに合っているか」などをきちんと鑑みた上で、メリットとデメリットを比較してどのくらい夜勤を行うか検討すると良いでしょう。
現在の職場の夜勤の働き方が合わないと感じている方は、思い切って環境を変えてみるのも一つの手です。自分が満足する働き方ができていないと感じている方は、「看護なび」をぜひチェックしてみてください。「看護なび」ではあなたにピッタリな介護士転職サイトを見つけることができます!