いくつ知ってる?看護方式|看護方式によって患者さんとの向き合い方は様々!

お仕事

病棟や患者さん、看護師の人数など、あらゆる環境に応じて、適切な看護を提供できるように様々な種類の看護方式が存在しています。

同じ病院であっても、病棟によって方式が異なることもあるため、今の職場の看護方式以外はあまり詳しくない人もいるのではないでしょうか。

今回は、現在主流となっている看護方式についてメリットやデメリットも併せて紹介します!

看護方式は大きく2種類に分けられる

チームでの看護方式:チームナーシング

その名の通り、複数の看護師がチームを組み、担当している患者さんたちのケアを担当します。

チームの中で経験が深い看護師がリーダーがなり、メンバーへ指示を出したり全体の指揮を取ります。

メリット

  • 看護師に能力差があったとしてもチーム全体で補えあえる
  • 仲間意識や協働意欲がわきやすい
  • 経験の浅い看護師は、他の経験豊富な看護師に支えられながら成長を期待できる

デメリット

  • 患者さんからすると、特定の担当看護師がいないので人間関係を構築しづらい
  • チーム内で情報を共有するときに漏れができやすい
  • 患者の小さな変化を見逃しまいがちになる

専任での看護方式:プライマリーナーシング

1人の看護師が、1人の患者さんを入院から退院まで一貫して担当する看護方式をプライマリーナーシングといいます。

あくまで担当看護師として看護計画の立案や評価を行いますが、本人がお休みのときはアソシエイトナースが対応してくれるため綿密な情報共有は必須です。

メリット

  • 1人の看護師が1人の患者を一貫して看護ができるため、患者さんに対して充実したケアができる
  • 患者さんにも覚えてもらいやすくなり、信頼関係が築きやすい
  • 看護計画の立案から実行管理まで一貫して行うため、看護能力向上に期待できる

デメリット

  • 担当する看護師の能力によって提供できる看護の質が異なる
  • 患者との関係が密になるため、人間関係に影響が出ることもある
  • 1人の看護師で患者さんを担当する場合、看護師の人数によっては1人当たりの担当する患者数が多くなり負担が大きくなる
  • 担当する患者さんの症状には差があるため、看護仕事に負担の大きさが異なる

チームナーシングの種類

固定チームナーシング

一定期間メンバーやリーダーを固定し、チーム全体で担当患者さんの看護を行う看護方式です。

チームナーシングでは日~週単位でチームの構成が変化するのに対し、固定チームナーシングは月~年単位でチームメンバーが固定されるため、プライマリーナーシングのメリットも併せ持つのが特徴です。

メリット

  • 担当看護師が不在時にもチームで患者さんの状況を把握できる
  • 担当看護師の能力をチームでカバーし、一定水準の看護を提供できる

デメリット

  • 途中で異動や退職によって業務に支障が出やすい
  • チーム内での連携が必要不可欠

チームが長期間一緒なことはメリット・デメリット表裏一体です。看護師間の人間関係の構築が特に重視されるでしょう。

モジュールナーシング

チームナーシングやプライマリーナーシングはアメリカで考えられた看護方式ですが、モジュラーナーシングは日本で考案された看護方式です。

チームナーシング、プライマリーナーシング両方のメリットを取り入れようと考えられたこの方式では、病棟内に所属する看護師を複数のチームに分け、各チーム内でさらに小規模なチーム(モジュール)を組み、それぞれのモジュールで担当する患者さんを入院から退院まで一貫して担当します。

一つのモジュールが担当する患者数は、チームナーシングでの患者数よりも少なくなるため、看護師は担当する患者に集中して関わることができます。また、モジュールは複数の看護師で構成されているため、プライマリーナーシングよりも一人の看護師にかかる負担や責任が分散されます。

メリット

  • 看護の質を他チームナーシングよりも安定して一定に保つことができる
  • 個々の患者に合わせた看護計画を立てられる
  • モジュールメンバー内で強固な連帯感が生まれる

デメリット

  • 他モジュールが担当する患者の情報は入ってこない
  • モジュール外の看護師とはコミュニケーションの機会が少ない

機能別看護

看護師がそれぞれの看護業務を分類し、専門的なスキルを持つ看護師が担当する方式です。

例えば、採血や点滴、バイタルサインのチェックなどの業務がそれぞれ異なる看護師に割り当てられます。

これまで紹介した、看護師が担当患者さんへ幅広い分野の看護を行う看護方式とは異なり、分業化によって業務効率が高められることが期待できます。

メリット

  • 業務を分担することで看護師個人の負担を分散できる
  • 看護師個人の能力に合った業務を割り当てられる
  • 少ない人数でも効率的に業務ができる

デメリット

  • 担当看護師がいないため、患者さんが不安になりやすい
  • 看護師間のコミュニケーションが減る
  • 限られた業務しかできないため、幅広いスキルは身につきにくい

プライマリーナーシングの種類

パートナーシップナーシング

この方式では、ベテラン看護師と新人看護師がペアになり、互いにサポートしながら業務を行います。プリセプター制度と似ているように感じますが、立場が異なります。

プリセプター制度は先輩が後輩に一方的に教える一方、パートナシップでは制度上では同じ立場としてパートナーとして業務を支え合うことが求められます。

しかし、人手が足りず十分な人員体制を組めない場合はパートナシップとプリセプター制度を混同してしまう病院もあるようです…。

通常、病院ではパートナーシップ・ナーシングシステムだけが採用される場合は少なく、ほとんどは他の看護方式と組み合わせて実施されます。

メリット

  • 新人やブランクのある看護師も安心して看護が行える
  • 1人ではなく2人で看護師個人の責任面での負担が少ない

デメリット

  • 新人看護師からベテラン看護師に意見を主張しにくい
  • 2人分の患者さんを担当しなければならず、かつツーマンセルで見て回る必要があるため時間がかかる

まとめ

看護方式は大きく2つに分けることができますが、複数の看護方式を組み合わることでより効率的な看護ができるような体制をとっているところもあります。

どのような看護方式であっても、ほかメンバーとの情報共有や協力は必須ですが、看護方式に応じてチームワーク力なのか専門性なのか、より求められるスキルは異なると言えるのではないでしょうか。

自身の特徴にあわせて働きやすい看護方式を採用している職場であれば、より充実した看護師ライフが送れそうですね!

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この記事の監修者元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助
元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助 株式会社SOKKIN 人材副事業責任者

2014年にサイバーエージェントに入社。金融業界を中心に幅広い業界のクリエイティブディレクションに従事。その後、2023年より株式会社SOKKIN でクリエイティブ責任者として従事

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